異常干支と異常性宿命

7つの異常干支とその理由

干支は10の干と12の支を組み合わせたもので、その組み合わせによって60通り存在します。例えば、甲子(きのえね)や乙丑(きのとうし)などです。

この干支のうち、以下の7種類が異常干支と呼ばれます。

甲午(こうぼくのうま)丁亥(ていかのいのしし)戊子(ぼどのねずみ)己亥(きどのいのしし)辛巳(しんきんのみ)壬午(じんすいのうま)癸巳(きすいのみ)

これらの干支はいずれも暗合をもち、さらに天干が天極星か天報星となるものです。天極星は人生のうち死人の時代、天報は胎児の時代を現しています。

死者の魂はこの世からあの世にいきなり行くことはできず、天極星という死人の時代を通らないといけないといわれています。仏教も同じ考え方に基づいていて、この中間の時期を四十九日としているのです。

四十九日とは、死者の魂が木星、火星、土星、金星、水星、太陽、月の7つの星を訪れるのを7回繰り返す期間を指します。魂がさまよっている間は納骨せず、魂が成仏してからお墓に埋葬するというしきたりです。

算命学の場合は中間の期間を四十九日と定めてはおらず、人によって長さが違うと考えます。

また、胎児があの世からこの世に生まれてくるときも、天報星という胎児の時代を通ります。胎児は生まれていないからこの世の人ではありませんが、母親のお腹にいるのであの世の人でもありません。

このように、天極星という死人の時代と天報星という胎児の時代は、12ある時代の中でも異常な時代と位置づけられています。

異常干支と異常性宿命

ご自身が異常干支をもっているかは、「無料宿命算出」で算出される陰占宿命の陰占宿命から確認してみましょう。例えば、以下の宿命の人は異常干支である「甲午」をもっています。人によっては、1つだけでなく2つ以上もっている方もいます。(7つの異常干支は異常性という点での違いはなく、特徴はそれぞれの干支がもっています)

特に、陰占宿命の一番右にある「日干支」に7つの異常干支をもつ人は、霊感を発揮しやすいと言われています。あの世とこの世の間に位置するので、そうした感覚を発揮しやすいのです。五感のいずれかを失っている場合、第六感を得やすいと言われています。

異常干支をもっているとよくないのかと気になる人がいるかもしれません。しかし、算命学でいう「異常」の定義はみんなと違うという意味であり、よくない宿命ということではありません。なお、算命学の「正常」は多数であるという意味です。

また、異常干支があるからと言って、変わった宿命をもっているとも言い切れません。

なぜなら、異常干支は以下の5つある異常性のひとつだからです。

干支異常(異常干支)位相異常中殺異常破格異常変化異常

こうした5つの異常性をもっている宿命のことを「異常性宿命」といいます。鑑定の際は、この5つの観点から宿命を見ていきます。異常性宿命を1つもっている人は多く、どんな人でも多少人とは違う部分をもっています。

ただし、異常性宿命を3つ以上もっているケースは珍しく、百数十人に1人くらいの割合で、異常性宿命を生かせている人はさらに少ないです。異常性宿命を多くもつ人は、結婚や仕事の面で異常性を発揮することが多いです。

無理をして世間と合わせると生きにくさを感じるので、なんらかの形で異常性を出すようになります。例えば、普通の生き方をしていても、ものすごく大量にピアスをつけていたりする。そんな形で異常性を消化していることもあります。

宿命性異常を多くもつ人の例

宿命性異常を多くもつ人物の例は、フランスのマクロン大統領とブリジット夫人です。この夫妻の場合は結婚が変わっています。

マクロン大統領が15歳のときに、学校の先生だった39歳のブリジット夫人に恋してしまいました。ブリジット夫人はすでに結婚していて子供もいました。一般的には結婚することがありえないような状況です。

また、宿命性異常を仕事の面で発揮しているのが、ヨットで太平洋を横断した堀江謙一さんです。堀江さんは日本を出発してヨットでサンフランシスコに到着しますが、実はパスポートもビザももっていませんでした。日本を不法出国し、アメリカにも不法入国の状態です。日本のマスコミは出発後から堀江さんを批判していました。しかし、到着したサンフランシスコ市長が堀江さんを大歓迎して名誉市民にすると、日本のマスコミも手のひら返しで英雄扱いをするようになりました。

もう一例は、旅行会社のHISの創業者である澤田秀雄さんです。創業当時、HISの業績が伸びた理由は格安航空券でした。当時、日本とアメリカの往復チケットを日本で買うよりも、アメリカで買う方が安いことに目をつけました。アメリカで日本とアメリカの往復チケットを購入し、それをばら売りすることで業績を伸ばしたのです。

ただ、その手法は当時の航空法に違反する行為で、HISは運輸省から再三注意を受けます。しかし、格安航空券が消費者から多くの支持を集めたため、航空法が改正されました。

このように、異常性宿命をもつ人は常識に捉われず、人がやらないことに挑戦すると成功しやすいです。

この記事の監修者

朱学院校長佐藤直樹

東京・上野に生まれる
早稲田大学高等学院、早稲田大学商学部卒業
10代より算命学を始め、奥義を習得、さらなる算命学の発展を目指す。