宿命とは、生まれながらに持っている運勢、性格の両方を指します。これは自然の巡りや宇宙の運行といった、人間が変えることができない大きな流れを背景に、生年月日によって定められます。ですから、宿命は変えることができないのです。
その人が生まれ持った宿命は、命式によって導き出すことができます。

陰占では年、月、日それぞれに十干と干支が当てはめられ、その組み合わせから潜在的な運気の特徴を読み解きます。
陽占では人体図に示された星から、その人の性格や行動、発揮する能力など、その人の顕在的な性質を占います。

宿命が悪いと、辛い思いをします。
これは、苦労や不幸を経験することが「役目」として与えられているためで、辛い思いを乗り越えて生きて行くことで、運勢が上昇していくのです。

ですから宿命が悪い人が、周囲の影響で苦労をしないで済んでしまったり、辛い思いを避けて生きようとすると、運勢が下降してしまい、結果的に悪い人生となってしまうのです。

宿命を知る事で、自分の生まれ持った「役目」を知り、運気に沿った生き方を知る事ができるのです。

運命と宿命という言葉は、世の中では混同されているように見受けられますが、両者ははっきりと異なるものです。
生まれながらに決められた変えられないもの、“命”に“宿った”ものが「宿命」であるのに対し、“命”に自らが“運んで”くるものが運命です。
運命とは、自分の意思や努力で選んだり変えたり出来るものなのです。

どんな仕事につくか、誰と仕事をするか、いつ誰と結婚するか、こどもをつくるか…など、自分で選べるものをどのように選択するかが運命に影響します。

生まれながらにして持っている運勢も、自身の生き方の選択によって上昇や下降があります。つまり、宿命と運命の関係の合計で運勢が決まるのです。

地球には、自分と同じ生年月日の人が何人もいるでしょう。その人は自分と同じ生き方になるのでしょうか。
答えは明白ですね。基本的な性質は同じでも、周囲の影響を受けて運勢が変化するために、同じ生き方にはならないのです。
それはサボテンの種を砂漠に蒔くか、温暖な土地に蒔くかという違いに似ています。一般には温暖な土地の方が砂漠であるよりも良さそうに思えますが、その性質が活きる環境であるかの方が大切です。

宿命と運勢にも同様の関係があり、したがって自らが命に運んでくるもの、努力や選択が運勢を決定づけるのです。

この記事の監修者

朱学院校長佐藤直樹

東京・上野に生まれる
早稲田大学高等学院、早稲田大学商学部卒業
10代より算命学を始め、奥義を習得、さらなる算命学の発展を目指す。